新型出生前診断についての情報が満載
遺伝カウンセリング
新型出生前診断は、日本医学会の認定や登録を受けた施設でのみ行なうこととしています。
この診断を安心して受けるためには、その検査の目的や、対象となるのはどのような妊婦か、結果が出たらどのように解釈して行動するのかなど、遺伝学の知識を持つ、専門の医師によるカウンセリングを受けることが必要になります。
認定を受けていない病院などが新型出生前診断をしているケースがありますが、適切な説明やカウンセリングが行われていないため、検査の結果で大きく動揺して冷静な判断がしにくくなるので、国や日本医学会・日本産科婦人科学会は、認定施設で受診するように強くすすめています。
専門医からの遺伝カウンセリングで正確な情報の説明をしてもらったうえで、検査結果では何がわかってどのような意味を持つのか、判断や行動はどうすれば良いかを、カップルははじめて正しく理解できます。
そして自分たちに適切と思える選択ができるようになるのです。
新型出生前診断が抱える問題点
妊婦の血液を調べることで胎児の染色体異常の有無を確認できる新型出生前診断は、妊婦及び胎児に与える負担が小さいというメリットがありますが、問題が全くないわけではありません。
新型出生前診断は非常に精度が高い検査ではありますが、稀に偽陽性となってしまうケースもあります。そのため、仮に検査結果が陽性だった場合は、確定的検査である羊水検査や絨毛検査を受けるのが一般的です。これらの検査を受ければ確実に胎児に染色体異常があるかどうかが判明しますが、羊水検査や絨毛検査は流産のリスクがあることを覚えておく必要があります。
また、逆に偽陰性となる可能性もあるため、陰性だったからと言って完全に安心できないという問題もあります。加えて、染色体疾患には様々なものがありますが、新型出生前診断で判明するのは基本的に21トリソミー(ダウン症)・18トリソミー(エドワーズ症候群)・13トリソミー(パトウ症候群)の3種類のみです。したがって、検査結果が陰性であっても、これら3種類以外の染色体疾患を抱えている可能性があることを覚えておく必要があります。